ライプツィヒ国際バッハ・コンクール(4/4)
2004/07/30

  さて、全体的にこのコンクールは良かったのか悪かったのか、レベルが どうであったのか、とまとめたいところではありますが、なにぶんモダン・チェロの 演奏を長年聴いておらず、他の国際コンクールのレベルや状況もよく知らない私は、 あまりたいそうなことを言う立場にはありません。しかし審査員の印象などを綴り合 わせますとレベルはそう高くなかったようです。しかしまた、いわゆるモダン・チェロ の人たちがバッハや18世紀の音楽をどう弾くか、これは10〜15年前あたりから比較 すれば本当に変わってきたと言えます。古楽、オリジナル楽器とその演奏習慣という ものの重要性をだれもが無視できなくなってきていることは事実です。ただ、参加者 の中にもいましたが、ちょっと弓を短めに持ってヴィブラートはできるだけなくし、 音の膨らみ方などだけ器用に真似をして、と外側だけ「バロック風」に演奏してみた ところで、音楽は良くならないのです。これから先も、このコンクールはモダン・ バロックの融合という方向を続けていくようですが、そこにはまだまだ問題がたく さん残されています。

  コンクールの存在意義は何か、バッハをどう弾くのが一番よいのか、 何を持って演奏や楽器のスタイルと呼ぶか等々、疑問は多くありましたし、特にここで 何かが解けたわけでもありません。しかし普段なかなか会えない世界の音楽家達、 また若い奏者達と話をし、これから先音楽はどうなっていくのかな、と思いめぐら すことは大変有意義でした。
  何々チェロなどという名前を使わなくても、それぞれのレパートリーに 相応しい道具を使い音楽のスタイルに則って人が演奏する、コンクールであっても そのような様式の認識が当たり前の前提となる、そんな日はいつか来るのでしょうか?

鈴木秀美