BCJスペイン・ツアー便り vol.6
2002/3/29
 ミラノからメストレのホテルへのバス旅行は、渋滞は少しあったもののまあ別に問題なかった。もうバスには飽き飽きしてはいたけれど。

 翌日は、ホテルのすぐ前からヴェネツィア行きのバスが出るということもあり、殆どの人が出かけたようだった。ヴェネツィアに半日、というのは酷な話ではあるけれど、あそこを目で見て知っているのといないのとでは大きな違いがある。おそらく皆、駆け足で見回ったことだろう。幸い天気もよく、以前行ったときには修復工事中だったサン・マルコ寺院の正面がきれいになっていたのが嬉しい。ヴェネツィアはいつ行っても不思議な、特別な場所だ。

 トレヴィゾのサン・ニコロ教会はなかなか立派な建物で、14世紀のフレスコ画がある部屋もあった。独特なヴェネツィアン・グラスの窓が美しい。ただ一回だけのヨハネ、しかも東京公演とは違って「普通」のバージョンだったので、どの音を弾くのか間違わないようにしなければならない。レシタティーヴォは前半が随分違うのだが、結局練習をする時間はなかった。しかし随分一緒にやってきているゲルトなので問題はない。演奏は多分まあまあだったのだろうと思うが、今までのコンサート・ホールとは音響も全く違うし、典型的な十字架型の建物で、ステージの後ろに空間が随分あることもあって自分達の音がよく聞こえず、よかったのかどうなのか、バランスがどうなのかなどよく判断できなかったのが残念であった。

 コンサート終了後は直ちにバスでホテルへ戻り、まずはプロセッコで乾杯!(いや、バスの中でもすでに…)それから2時間という束の間、部屋で休む。といっても、荷造りで殆ど終わり、へたに眠るとかえって起きられない。朝2時半出発のバスはしかし、道を間違えることもなく、ストライキに阻まれることもなく、無事空港に到着した。

 今日と明日の二回、何回もの「練習」の成果をもってのコンサートである。疲れが出ていなければよいけれど。時差ぼけで突然昏睡、などということがないように気を張っていなければならない。考えてみれば、海外からくる有名演奏家達は大抵このような状態で演奏しているのだ。オンガクカは旅が仕事の一部、時差ぼけだ病気だとは言っていられない。音楽学校に「旅行の仕方」とか「ホテルの上手な使い方」、「時差ぼけの乗り切り方」などという講座があってもよさそうなものである。

 というわけで、ツァー便りはこれでおしまい。皆さまご精読有難うございました。

Trevisoの教会
Trevisoの教会1 Trevisoの教会2
ヴェネツィアン・グラスの窓絵画史上初の眼鏡をかけた人物、14世紀のフレスコ画
ヴェネツィアン・グラスの窓 絵画史上初の眼鏡をかけた人物
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