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羊腸珈琲店ご愛好の皆様、
湿気が気になっていた梅雨や夏はあっという間に過ぎ去り、今度は乾燥がこわい時期に入ろうとしています。皆様いかがお過ごしでいらっしゃいますか。
先日の第4回カフェの後のご報告をしたいと思いつつも、それに引き続いていた組曲ツァーに追われて、今になってしまいました。まずは、カフェにいらっしゃった方、また弾いてくださった方に御礼を申し上げます。
今回はヴィオラのお客さんも一人いらしたので、普段チェロでやっていることを随分と高いところで(音域も楽器そのものの場所も)見聞きできて、いろいろと興味深かったのではないかと思います。ヴィオラは、ヴァイオリンとの比較では大きな楽器、重い楽器というイメージがあり、実際世の中に数え切れないほどのジョークを提供してくれている愛すべき楽器ですが、チェロの合間に挟まって、しかもチェロの曲を聴くと、ああ随分簡単そうだなぁ、という感じを受けますね。チェロを弾く側からは、あのように小さい楽器で聴いたときの軽さを覚えて、それをどうやってチェロの上で実現するか、と考えるとよい反省材料になるように思います。自分が弾く楽器の特徴や癖は、そこからいったん離れて初めて見えることも多いのではないでしょうか。チェロ・ピッコロを弾くことの楽しさのある部分は、そういう意味でもあると考えています。
いやしかし、ヴァイオリンやフルートの曲はムズカシイものでありますナ。この次、そう、いつの日かチェロ・ピッコロ・リサイタルをやるときには、もっと上手になっていたい!いや、もっと上手なのを聴かせよ、と仰せになりたい方もいらっしゃるでしょう。どうか気長にお待ちくださるよう、お願い申し上げます。
さて、組曲ツァーも何とか無事に全公演を終了いたしました。広告されていたコンサートにプライベートな場所のものを加え、14日間に12回。『無謀なことを...』という声が聞こえてきそうな気もしましたが、終わってみればいえいえどうしてなかなか、まだいけそうであります。それに、12と14、どちらもいい数ではありませんか。
始まる前にどこかのインタヴューで「もうできるかな」と「まだできるかな」の両方と答えまして、実際それは正直な気分だったのですが、結果的には9年前よりもずっと大きな充足感を得ることができたと思っています。
演奏がいろいろと変わったのは当然のこと、また録音とも大きく違ったでしょうから、ロビーでCDをお買い上げくださった方が、コンサートで聴いたようなものを期待して録音をお聴きにならないことを願っております。あれはあれ、これはこれなのでございます。
今回は、前回のツァーにもまして周りから支えていただいたことがたくさんあり、それぞれの関係の方々に感謝申し上げます。
まず一つは椅子。『え、何が?』と訝るかたもいらっしゃるでしょう。そう、私が座っておりましたのは何の変哲もないピアノ椅子。しかし、特別に低いのです。今までよりも2〜3センチ低く、38センチ〜40センチの間をチェロのサイズによって上下します。バロック〜クラシックの楽器では、ピンの長さでちょっと調整、ということができません。しかし、楽器はある程度寝ている方が弓が滑り落ちず、表現が豊かになります。そのためには椅子が十分低くなければならないのですが、通常のピアノ椅子は42センチ程度までしか下がらないのです。それで今回は、あるホールではわざわざ低い椅子を準備していただき、またそうできなかった所には東京でお借りした椅子を順繰りに送って回ったのでした。たった2〜3センチ、しかしこの違いはとてもとても大きいのであります。ピンなしチェロをお弾きの皆様、ぜひ試してみてください。ただし、右手の可能性が増えるということはそれだけコントロールしなければならないということですから、さらなる筋力トレーニングが必要かもしれません。
もう一つは、おいでになった皆様も楽しまれたであろうあの巨大楽譜です。和紙にインクジェットで印刷したアンナ・マグダレーナの筆写譜はまるでホンモノのように見え、圧倒的な迫力と説得力を感じました。楽譜のサイズというのは意外と意味深いものだと考え直させられました。因みに、最初2回のコンサートと名古屋、山口に展示した楽譜は、紙の長さが約3メートル、楽譜部分が1.5メートル。追加公演の時はステージ後方のスクリーンに巻きつけましたので、楽譜の部分だけで約3メートル、紙全体は20メートルという、巨大なロールペーパーだったのです。コンサート当日、パンフレットをご覧になった方もあると思いますが、あれは『紙人』木田俊一さんという方が作ってくださいました。キュービックという彼の会社のホームページもありますから、興味がおありでしたらご覧ください。(http://www.qbic.co.jp/)
さて、来世紀のバッハはどんな方向へ進んでいくのでしょうか。カフェ・トーク、カフェでの時間も楽しみになさっていてください。来年まず最初は3月2日、テーマはテレマンとJ.C.F.バッハのソナタなどを取り上げたいと考えていますが、詳細はまた追ってお知らせいたします。その後は5月12日、7月8日、10月6日(当初の9月15日から変更になりました by
事務局)を予定しています。
バッハ・コレギウム・ジャパンではこれからロ短調ミサ、そしてアンドレアス・ショルさんとの共演が控えております。どうぞご期待ください。
皆様におかれましては、あまり心を亡くさない良い年末と、実りある『ガット世紀初め』をお迎えになりますよう、お祈り申し上げます。
店主敬白
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第4回ガット・カフェのご案内 Café Talk 第4回カフェのやや詳しい御案内とコンサート・プログラム | ||
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ガット・カフェの記録 |
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